地球環境問題への貢献を称えるブループラネット賞。2018年の受賞者はオーストラリアの生態学者ブライアン・ウォーカー教授とスウェーデンの国際水文学者マリン・ファルケンマーク教授です。
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の名誉フェローであるウォーカー教授は、持続可能な社会の実現にはレジリエンスの考え方が重要であると提唱しました。レジリエンスとは復元力のこと。これを人間社会にも適応させ、気候変動を含めた様々なかく乱が起こってもシステムが自己調整しこれまでと同じように社会が機能する能力を持つことが重要であると提唱してきました。
マリン・ファルケンマーク教授は、これまで誰も言及してこなかった土壌の中に含まれる水分に着目し、その水をグリーンウォーターと名付けました。私たちの目には見えない植物が利用する水です。このグリーンウォーターを利用できる農法を使えば、例え乾燥した土地でも作物を育てることができるという画期的な概念です。
教授は90歳を越えた今も人口増加に伴う食糧問題の解決策のひとつとして、グリーンウォーターが人類の未来にとっていかに大切であるかを訴え続けています。